ミクシィ担当者 2011年1月 5日 23:04
今回は趣向を変えて、実際にヒットソーシャルアプリを提供されているSAPであるコミュニティファクトリー代表取締役松本さんに、500万人以上の方が利用された「みんなでケンテイ(http://mixi.jp/run_appli.pl?id=19735)」について語っていただきました。
はじめまして。コミュニティファクトリーの松本です。まず簡単に、弊社についてご説明させてください。弊社は2008年よりソーシャルアプリに取り組んでおり、今までリリースしたアプリは20本以上になります。今回お話しする「みんなでケンテイ」以外にも、PC、モバイル、スマートフォン向け含め、様々なアプリを開発・運用しています。
【みんなでケンテイとは】
「みんなでケンテイ」は2010年12月現在、560万人以上というmixiアプリで最も登録ユーザー数の多いアプリです。PC版、モバイル版、スマートフォン版とmixiの全てのプラットフォームに対応しています。ユーザーは数問のクイズに答える「〇〇検定」を楽しんだり、ニックネームを入力するだけで結果を見ることが出来る「〇〇診断」を簡単に楽しんだりすることができます。
占い・診断系は、毎日新しいアプリが次々とリリースされる、mixiアプリの激戦区です。その中で、開始後半年以上が経つ現在でも多くのユーザーさんに利用され続けているのはどうしてでしょうか?
【CGM+友人間コミュニケーションがヒットのポイント】
他のアプリとみんなでケンテイは、どういった点が違うのでしょうか。
通常の診断系アプリが、「〇〇診断」と言った単発なものに対して、「みんなでケンテイ」はユーザーが新規のコンテンツを作ることの出来るCGM型になっています。通常診断系のアプリは一問一答式のため、同じ診断を2度利用するユーザーはあまりみられないないですが、「みんなでケンテイ」の場合、一つの検定・診断を利用したユーザーが、他の診断も次々に利用する、という流れができており、ユーザーがアプリ内を循環することになっています。ユーザーの皆様がつくってくださった検定・診断は、現在は数万問に上ります。
ただ、コンテンツの生成されかただけをみると、単純なCGMサービスのように感じられるのですが、それではmixiアプリでは大きなヒットは望めません。
「みんなでケンテイ」は、
(1)検定・診断で遊んでみる。
(2)面白い診断結果を気心の知れた友だち(マイミク)に見せたいと思って、ボイスやコミュニケーションフィードで発信する。(なぜ?:友だちがコメントやイイネ!で反応してくれて嬉しいから)
(3)友だちの行動を見たその他のユーザーが、自分も診断をやってみたくなる。→(1)に戻る。
(3´)発信後、自分でも新しい検定・診断を作成する。
というプロセスを経ています。
例えば、掲示板などを設けて暇な人だけが書き込むような従来型のCGMやネットコミュニティモデルにしてしまうと、このようなプロセスは働きません。
友だちではない人の診断結果を見ても人となりやバックグラウンドがわかりませんから、コンテンツとしてちっとも面白く無いですし、バイラル効果という意味でも(2)~(3)の流れがありませんので連鎖が働きません。「友だち同士だから面白い」という、友人間コミュニケーションツールとして利用されていることが、mixiアプリでヒットアプリを創出するという点でいかに大切かが、お分かりいただけるかと思います。
【継続的な運用が大ヒットを産む】
診断系の強みはバイラルが非常に発生しやすいという点ですが、弱点としては、わざわざ「そのアプリに訪れたい」と思うユーザーが少ないことが挙げられます。時間経過の概念を持つソーシャルゲームと違って、「農作物の出来が気になる」や「体力そろそろ回復するかな」とログインしていない間も常に心に留める力が弱いので、アプリの影がどうにも薄くなりがちです(笑)
そのため、いかに上記のようなバイラルプロセスをスムーズに回転させて、常にユーザーの目に触れるかが、継続的なアクティブユーザー獲得の鍵になります。そのため、よりバイラルするためにはどうしたら良いか、アプリ内の導線の見直し、ボイスやコミュニケーションフィードなど、ミクシィ社提供APIの何を、どのタイミングで表示させるのが良いのか、常に数値を追いながら修正を続けています。
また、「みんなでケンテイ」は診断を見たユーザーが「面白い!」と感じてこそ意味があるアプリなので、全てのユーザーに最適な診断が届けられるように、アプリ内の各箇所での露出アルゴリズムも、毎日のように改善を行っています。
【みんなでケンテイ、ヒットのまとめ】
「みんなでケンテイ」が多くのユーザーに利用いただけているのは、
(1)アプリ内だけでなくボイスや日記も含めた、友人間コミュニケーションの最適な形を追求したこと。
(2)ボイスの配信数のようなバイラルの指標となる数値などの指標(KPI)を追いながら、常に運用、改善を行い続けていること。
の2点が大きいと思います。特に日々の運用は非常に重要です。「みんなでケンテイ」は、リリース後半年以上たった2010年11月に過去最高のデイリーアクティブユーザーを獲得しました。これは粘り強く数値をみて修正を続けたスタッフの努力の賜物ではないかと思います。
アプリごとに重要な指標は違うのですが、是非、アクティブユーザー(UU)や顧客課金単価(ARPU)といった基礎的なKPI以外にも、追いかける数値を設定していただいて、継続的な運用を続けて頂ければと思います。
最後に、コミュニティファクトリーでは一緒にソーシャルを追求したいメンバーを大募集しています。 数百万人が利用するメガヒットアプリを生み出しましょう!
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