ミクシィ担当者 2010年9月21日 22:54
前回のコラムでは、自分を中心とし、「実際の友人知人」で構成された2,000万通りのソーシャルグラフの集合体がmixiであるとご紹介しました。ソーシャルアプリでヒットするためには、このソーシャルグラフを活用したコミュニケーションを、そのままアプリに取り込んで設計すればいいのです。
では、リリースから1年もの間ランキング1位を維持している「サンシャイン牧場」を例に挙げ、ソーシャルアプリとしてお手本にすべき要素をご紹介します。
サンシャイン牧場をご存じではない方のために、概要を簡単に説明します。
サンシャイン牧場とは、自分の畑に種をまき、水や肥料を与え、作物を育て、収穫して出荷、そこで得たコインでまた新しい種を買い・・・を繰り返す、単純明快な農場系アプリです。その過程で、マイミクの牧場を訪問して、水やりや虫退治といったお世話をしたり、虫を入れていたずらを仕掛けるといったやり取りをすることもできます。
ちなみに、虫を入れられた畑の作物は収穫量が増えます。つまり、この「いたずら」は、マイミクのお手伝いにもなります。
サンシャイン牧場は、「マイミクの存在感」を感じられる設計になっています。以下のような情報がアプリ内でわかりやすく表示されます。
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みなさんは、mixiで日記を書いたり、写真をアップした後、マイミクからの足あとやコメント、イイネ!履歴を確認するために何度もアクセスしてしまった、といった経験はないでしょうか。自分のアクションに対するマイミクのリアクションを知ることができるからこそ、何度もアクセスを繰り返す、というのがmixiユーザーの原理です。
それと同様に、マイミクの畑に行ってお世話やいたずらをしても、相手に通知されず、リアクションが期待できないとやりがいがありません。「自分の畑にマイミクが来てくれた!」ということ(アクション)が容易にわかるインターフェースにすることによって、ユーザーは「お返しをしよう!」と考え、マイミクの畑にお世話やいたずらをするという行動(リアクション)が行われます。サンシャイン牧場は、「マイミクの存在感」が感じやすく設計されているため、この「アクション⇔リアクション」が繰り返され、ユーザーの再訪率が高まり、息の長いアプリになっているのです。
ここでつい、「それなら、マイミク以外のユーザーもアプリ内に表示すれば、リアクションの数が増えて、コミュニケーションが活性化するに違いない!」と考えがちですが、それはmixiユーザーが求めるコミュニケーションとは異なります。
サンシャイン牧場においては、マイミク以外のユーザーはどこにも表示されません。その理由としては、アクションに対してリアクションをしようと思うのは、マイミクに対してのみ発生する感情です。「友人、知人だから嬉しい」と感じるのです。mixiアプリは、まさに「友人知人とのコミュニケーション」の場になっているのです。
「マイミクの存在感」を感じられる設計にすることで、ユーザーが再訪を繰り返す、息の長いアプリになることをわかっていただけたでしょうか。
参考 : サンシャイン牧場はこちら
次回に続く・・・